国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律施行規則

时间: 2019-05-07


 平成十六年国土交通省令第五十九号

国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律施行規則

国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律(平成十六年法律第三十一号)の規定に基づき、及び同法を実施するため、国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律施行規則を次のように定める。


目次







第一章



総則(第一条―第五条)














第二章



国際航海船舶の保安の確保













第一節



国際航海日本船舶に関する措置













第一款



国際航海日本船舶の保安の確保のために必要な措置(第六条―第二十二条)














第二款



国際航海日本船舶の検査等(第二十三条―第三十八条)














第三款



船級協会(第三十九条―第四十三条)














第四款



雑則(第四十四条―第四十七条)















第二節



国際航海外国船舶に関する措置(第四十八条―第五十二条)















第三章



国際港湾施設の保安の確保













第一節



国際埠頭施設に関する措置(第五十三条―第六十四条)














第二節



国際水域施設に関する措置(第六十五条―第七十三条)















第四章



国際航海船舶の入港に係る規制(第七十四条―第七十八条)














第五章



雑則(第七十九条―第八十四条)








附則




第一章 総則

(用語)


第一条 この省令において「国際規則」とは、条約附属書第十一章の二第一規則に規定する船舶及び港湾施設の保安に関する国際規則をいう。



2 この省令において「地方運輸局長等」とは、地方運輸局長(運輸監理部長を含む。以下同じ。)並びに運輸支局(地方運輸局組織規則(平成十四年国土交通省令第七十三号)別表第二第一号に掲げる運輸支局(福岡運輸支局を除く。)を除く。)、同令別表第五第二号に掲げる海事事務所及び内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十七条第一項の規定により沖縄総合事務局に置かれる事務所で地方運輸局において所掌することとされている事務のうち国土交通省組織令(平成十二年政令第二百五十五号)第二百十二条第二項に規定する事務を分掌するもの(以下「運輸支局等」という。)の長(以下「運輸支局長等」という。)をいう。



3 この省令において「所有者所在地官庁」とは、国際航海日本船舶の所有者の所在地を管轄する地方運輸局長(国際航海日本船舶の所有者が本邦外にある場合にあっては関東運輸局長)をいう。



4 この省令において「船舶所在地官庁」とは、国際航海日本船舶の所在地を管轄する地方運輸局長等(国際航海日本船舶が本邦外にある場合にあっては関東運輸局長)をいう。



5 この省令において「地方整備局の事務所長等」とは、地方整備局組織規則(平成十三年国土交通省令第二十一号)別表第五に掲げる事務所(空港整備事務所を除く。)、開発建設部で北海道開発局において所掌することとされている事務のうち国土交通省設置法(平成十一年法律第百号)第四条第一項第百一号に規定する事務を分掌するもの及び内閣府設置法第四十七条第一項の規定により沖縄総合事務局に置かれる事務所で地方整備局において所掌することとされている事務のうち国土交通省組織令第二百六条第二項に規定する事務を分掌するもの(以下「地方整備局の事務所等」という。)の長をいう。



6 この省令において「港湾施設所在地官庁」とは、国際埠ふ
頭施設又は国際水域施設の所在地を管轄する地方整備局長又は北海道開発局長をいう。



7 前各項に規定するもののほか、この省令において使用する用語は、国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律(以下「法」という。)において使用する用語の例による。



(非国際航海船舶の範囲)


第二条 法第二条第一項第一号の国土交通省令で定める船舶は、次に掲げる船舶とする。


一 漁船法(昭和二十五年法律第百七十八号)第二条第一項第一号に規定する漁船



二 推進機関を有しない船舶



三 国が所有し又は運航する船舶であって非商業的目的のみに使用されるもの



四 スポーツ又はレクリエーションの用に供するヨット、モーターボートその他これらに準ずる船舶



五 前各号に掲げるもののほか、国土交通大臣がその航海の目的、態様、運航体制等を勘案して船舶の保安の確保上差し支えないと認めた船舶




2 法第二条第一項第二号の国土交通省令で定める船舶は、次に掲げる船舶とする。


一 専ら漁業に従事する船舶



二 条約附属書第一章第三規則(a)(i)から(v)までに掲げる船舶



三 条約附属書第十一章の二第二規則第三項に規定する船舶



四 前各号に掲げるもののほか、国土交通大臣がその航海の目的、態様、運航体制等を勘案して船舶の保安の確保上差し支えないと認めた船舶




(特定海域)


第三条 法第二条第一項第二号の国土交通省令で定める海域は、次に掲げる海域とする。


一 東京湾(千葉県洲埼灯台から神奈川県剣埼灯台まで引いた線及び陸岸により囲まれた海域をいう。)



二 伊勢湾(愛知県渥美郡渥美町大山三角点から三重県石鏡灯台まで引いた線及び陸岸により囲まれた海域をいう。)



三 瀬戸内海(和歌山県紀伊日ノ御埼灯台から徳島県蒲生田岬灯台まで引いた線、愛媛県佐田岬灯台から大分県関埼灯台まで引いた線、山口県六連島灯台から五六度四、八〇〇メートルの地点から〇度八〇メートルの地点まで引いた線、同地点から二七〇度一、七二〇メートルの地点まで引いた線、同地点から山口県六連島鵜ノ石鼻まで引いた線、同島ウドノ鼻から二二三度四八〇メートルの地点まで引いた線、同地点から一三三度六〇〇メートルの地点まで引いた線、同地点から二四四度八七〇メートルの地点まで引いた線、同地点から福岡県和合良島島頂まで引いた線、同島頂から二五七度二、九四〇メートルの地点まで引いた線、同地点から二四六度三〇分に陸岸まで引いた線及び陸岸により囲まれた海域をいう。)




(危害行為)


第四条 法第二条第五項の国土交通省令で定めるものは、次に掲げるものとする。


一 船舶又は港湾施設を損壊する行為



二 船舶又は港湾施設に不法に武器又は爆発物その他の危険物を持ち込む行為



三 正当な理由なく船舶又は港湾施設に立ち入る行為



四 船舶の運航を不法に支配する行為




(国際海上運送保安指標の設定及び公示の方法)


第五条 法第三条第一項の規定による国際海上運送保安指標の設定は、当該国際海上運送保安指標を国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保のために必要な措置の程度に応じて低いものから順に保安レベル一、保安レベル二又は保安レベル三とし、それらのいずれかを定めることにより行うものとする。



2 法第三条第一項の規定による国際海上運送保安指標の公示は、地方整備局、北海道開発局、地方整備局の事務所等、地方運輸局(運輸監理部を含む。)及び運輸支局等の掲示板における掲示並びにインターネットの利用その他の適切な方法により行うものとする。




第二章 国際航海船舶の保安の確保

第一節 国際航海日本船舶に関する措置

第一款 国際航海日本船舶の保安の確保のために必要な措置

(船舶警報通報装置)


第六条 法第五条第二項の国土交通省令で定める船舶警報通報装置の設置に関する技術上の基準は、次に掲げる基準とする。


一 次に掲げる情報を速やかに海上保安庁に送信できるものであること。


イ 国際航海日本船舶の船名、国際海事機関船舶識別番号その他の当該国際航海日本船舶を特定することができる情報



ロ 国際航海日本船舶に対する危害行為が発生したことを示す情報



ハ 国際航海日本船舶の位置を示す情報




二 船舶警報通報装置の作動を停止させるまで前号に掲げる情報を継続的に送信するものであること。



三 航海船橋及びそれ以外の適当な場所において第一号に掲げる情報の送信を操作できるものであること。



四 誤操作による第一号に掲げる情報の送信を防止するための措置が講じられているものであること。



五 他の船舶に第一号に掲げる情報を送信しないものであること。



六 可視可聴の警報を発しないものであること。




2 前項に定めるもののほか、船舶警報通報装置の設置に関する技術上の基準の細目は、国土交通大臣が告示で定める。



(船舶指標対応措置)


第七条 法第六条の規定による船舶指標対応措置の実施は、法第三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により国土交通大臣が国際航海日本船舶について国際海上運送保安指標を設定し、かつ、これを公示した場合に、速やかに、船舶保安規程に定めるところにより行うものとする。



2 国際航海日本船舶が条約締約国の港にあり、又は条約締約国の港に入港をしようとする場合であって、次の各号に掲げるときにおける法第六条の規定による船舶指標対応措置の実施は、当該国際航海日本船舶について当該条約締約国の政府が設定(当該条約締約国の政府が設定した国際海上運送保安指標に相当する指標を変更した場合を含む。以下この項において同じ。)した国際海上運送保安指標に相当する指標を当該国際航海日本船舶について国土交通大臣が設定した国際海上運送保安指標とみなして、これに対応する船舶指標対応措置を行うものとする。


一 当該国際航海日本船舶について国土交通大臣が保安レベル一を設定した場合に、当該条約締約国の政府が保安レベル二又は保安レベル三に相当する指標を設定したとき。



二 当該国際航海日本船舶について国土交通大臣が保安レベル二を設定した場合に、当該条約締約国の政府が保安レベル三に相当する指標を設定したとき。




3 法第六条の国土交通省令で定める措置は、次の表の上欄に掲げる国際海上運送保安指標に対応して、それぞれ同表の下欄に掲げるものとする。ただし、国際航海日本船舶について国土交通大臣がその構造、設備等を勘案して保安上差し支えないと認める場合にあっては、この限りでない。




国際海上運送保安指標

措置




一 保安レベル一

イ 制限区域を設定し、施錠その他の措置を講ずること。
ロ 国際航海日本船舶に人又は車両が正当な理由なく立ち入ることを防止するため、本人確認その他の措置を講ずること。
ハ 積荷、船用品その他の国際航海日本船舶に持ち込まれる物(以下この表において「積荷等」という。)について点検をすること。
ニ 船内の巡視又は監視をすること。
ホ 国際航海日本船舶の周囲の監視をすること。
ヘ 関係行政機関及び埠頭保安管理者その他の関係者との連絡及び調整を図ること。
ト その他国土交通大臣が特に必要と認めた措置を講ずること。




二 保安レベル二

イ 制限区域を設定し、施錠その他の措置を講ずること。
ロ 国際航海日本船舶に人又は車両が正当な理由なく立ち入ることを防止するため、本人確認その他の措置を強化すること。
ハ 積荷等について点検を強化すること。
ニ 船内の巡視又は監視を強化すること。
ホ 国際航海日本船舶の周囲の監視を強化すること。
ヘ 関係行政機関及び埠頭保安管理者その他の関係者との連絡及び調整を図ること。
ト その他国土交通大臣が特に必要と認めた措置を講ずること。




三 保安レベル三

イ 制限区域を設定し、施錠その他の措置を講ずること。
ロ 国際航海日本船舶に当該国際航海日本船舶における業務の関係者以外の者又は当該関係者に係る車両以外の車両が立ち入ることを禁止すること。
ハ 積荷等の積卸しを一時停止すること。
ニ 全ての照明の点灯、監視設備の作動等により国際航海日本船舶の船内及びその周囲の監視を徹底すること。
ホ 船内の巡視を強化すること。
ヘ 関係行政機関及び埠頭保安管理者その他の関係者との連絡及び調整を図ること。
ト その他国土交通大臣が特に必要と認めた措置を講ずること。







4 前項に定めるもののほか、国際航海日本船舶であって国際不定期旅客船(海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第二条第六項に規定する不定期航路事業に使用する旅客船をいう。以下同じ。)であるもの(以下この条において「国際不定期日本旅客船」という。)が重要国際埠頭施設及び法第三十三条第一項の規定により承認を受けた埠頭保安規程に相当する規程に係る重要国際埠頭施設以外の国際埠頭施設(以下この条において「重要国際埠頭施設等」という。)に係留される場合における法第六条の国土交通省令で定める措置は、保安確認書(当該国際不定期日本旅客船の船長又はその船舶保安管理者と当該重要国際埠頭施設等の埠頭保安管理者又は埠頭保安管理者に相当する者との間で当該国際不定期日本旅客船及び重要国際埠頭施設等の保安の確保のために必要な措置について協議した結果を国土交通大臣が告示で定めるところにより相互に確認する書面をいう。以下同じ。)の作成及び当該保安確認書において確認された事項の実施とする。



5 前項の保安確認書は、作成した日から三年間保存するものとする。



(船舶保安統括者)


第八条 法第七条第一項の国土交通省令で定める要件は、次に掲げる事項についての知識及び能力を有する者であることとする。


一 法及び法に基づく命令並びに条約附属書第十一章の二及び国際規則に規定する事項



二 船舶警報通報装置に関する事項



三 船舶指標対応措置に関する事項



四 操練その他教育訓練の実施に関する事項



五 船舶保安記録簿に関する事項



六 船舶保安規程及び船舶保安評価書に関する事項



七 危害行為に用いられるおそれのある武器及び爆発物その他の危険物に関する事項



八 危害行為が発生した場合の対処方法に関する事項



九 船舶の保安に関する情報の管理方法に関する事項



十 船舶の運航に関する事項



十一 港湾施設の運営に関する事項




2 法第七条第一項の規定による船舶保安統括者の選任は、次の各号のいずれにも該当しない者であって、国際航海日本船舶の保安の確保に関する業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的地位にある者のうちから、一人を選任することにより行う。


一 法又は法に基づく命令の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者



二 法第七条第四項の命令により解任され、解任の日から二年を経過しない者




3 法第七条第二項の規定による届出をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した船舶保安統括者選任(解任)届出書を、原子力船等(原子力船特殊規則(昭和四十二年運輸省令第八十四号)第二条に規定する原子力船及び危険物船舶運送及び貯蔵規則(昭和三十二年運輸省令第三十号)第四十五条に規定する船舶をいう。以下同じ。)に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては所有者所在地官庁に、提出しなければならない。


一 所有者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名



二 船名、船舶番号及び国際海事機関船舶識別番号



三 選任し、又は解任した船舶保安統括者の氏名及び生年月日



四 選任し、又は解任した年月日



五 選任の届出の場合にあっては、次に掲げる事項


イ 船舶保安統括者が第一項に規定する要件に該当する旨の説明



ロ 船舶保安統括者が前項の規定に適合する者である旨の説明



ハ 船舶保安統括者の住所及び緊急連絡用の電話番号その他緊急時における連絡方法




六 解任の届出の場合にあっては、解任の理由




4 前項の届出書を提出した者は、前項第一号から第三号まで及び第五号ハに係る事項に変更を生じた場合においては、遅滞なくその旨を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては当該届出書を提出した所有者所在地官庁に、届け出なければならない。



5 法第七条第五項の業務の範囲は、次に掲げるものとする。


一 船舶保安規程の作成及びその変更に関すること。



二 船舶保安評価書の作成に関すること。



三 法第十一条第四項の承認、法定検査、法第二十条第二項の審査及び検査並びに同条第三項の検査に係る申請その他の行為に関すること。



四 船舶保安管理者、当該国際航海日本船舶に係る保安の確保に関する業務に従事する者(船舶保安管理者を除く。以下「船舶保安従事者」という。)その他の乗組員に対する教育訓練の実施の管理に関すること。



五 行われるおそれのある危害行為に関する情報の提供に関すること。



六 国際航海日本船舶に係る保安の確保に関する業務に関する監査に関すること。



七 船舶保安管理者その他の関係者との連絡及び調整に関すること。




(船舶保安管理者)


第九条 法第八条第一項の規定による船舶保安管理者の選任は、次の各号のいずれにも該当しない者であって、国際航海日本船舶に係る保安の確保に関する業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的地位にある者のうちから、国際航海日本船舶ごとに一人を選任することにより行う。


一 法又は法に基づく命令の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者



二 法第八条第四項の規定において準用する法第七条第四項の命令により解任され、解任の日から二年を経過しない者




2 法第八条第三項の規定による届出をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した船舶保安管理者選任(解任)届出書を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては所有者所在地官庁に、提出しなければならない。


一 前条第三項第一号及び第二号に掲げる事項



二 選任し、又は解任した船舶保安管理者の氏名及び生年月日



三 選任し、又は解任した年月日



四 選任の届出の場合にあっては、次に掲げる事項


イ 船舶保安管理者が法第八条第一項の講習(以下「船舶保安管理者講習」という。)を修了した者である旨の説明



ロ 船舶保安管理者が前項の規定に適合する者である旨の説明




五 解任の届出の場合にあっては、解任の理由




3 前項の届出書を提出した者は、前項第一号及び第二号に係る事項に変更を生じた場合においては、遅滞なくその旨を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては当該届出書を提出した所有者所在地官庁に、届け出なければならない。



4 法第八条第四項において準用する法第七条第五項の業務の範囲は、次に掲げるものとする。


一 船舶警報通報装置の保守点検又は較正の実施に関すること。



二 船舶指標対応措置の実施に関すること。



三 乗組員に対する操練その他教育訓練の実施に関すること。



四 行われた危害行為に関する情報の船舶保安統括者への報告に関すること。



五 船舶指標対応措置の実施に関し、船舶保安統括者その他の関係者との連絡及び調整に関すること。




(機構による船舶保安管理者講習の実施)


第十条 国土交通大臣は、法第八条第二項の規定により、機構に船舶保安管理者講習の実施に関する業務の全部を行わせるものとする。



2 国土交通大臣は、前項の規定により機構に行わせるものとした船舶保安管理者講習の実施に関する業務については、これを行わないものとする。



(船舶保安管理者講習の内容)


第十一条 法第八条第二項の規定により機構が実施する船舶保安管理者講習は、次に掲げる事項について行うものとする。


一 法及び法に基づく命令並びに条約附属書第十一章の二及び国際規則に規定する事項



二 船舶警報通報装置に関する事項



三 船舶指標対応措置の実施に関する事項



四 操練その他教育訓練の実施に関する事項



五 船舶保安記録簿の記載に関する事項



六 船舶保安規程に定められた事項の実施に関する事項



七 危害行為に用いられるおそれのある武器及び爆発物その他の危険物に関する事項



八 危害行為が発生した場合の対処方法に関する事項



九 船舶の保安に関する情報の管理方法に関する事項



十 前各号に掲げるもののほか、船舶保安管理者の業務の遂行について国土交通大臣が必要と認める知識及び能力に関する事項




2 前項の規定にかかわらず、条約締約国の船舶に船舶保安管理者として乗り組むことができる者に対して法第八条第二項の規定により機構が実施する船舶保安管理者講習は、前項第一号(法及び法に基づく命令に規定する事項に限る。)に掲げる事項並びに同号(法及び法に基づく命令に規定する事項を除く。)から第十号までに掲げる事項のうちその知識及び能力に応じて必要なものについて行うものとする。



(船舶保安管理者講習修了証の交付)


第十二条 機構は、船舶保安管理者講習を修了した者に対し、船舶保安管理者講習修了証を交付する。



(船舶保安管理者講習修了証の再交付)


第十三条 独立行政法人海技大学校又は機構が行う船舶保安管理者講習を修了した者は、船舶保安管理者講習修了証を滅失し、又はき損した場合は、機構に申請して、その再交付を受けることができる。



(操練)


第十四条 法第九条第一項の規定による操練の実施は、船舶指標対応措置の実施を確保するため、船舶保安規程に定めるところにより、少なくとも三月に一回行わせるものとする。ただし、過去三月間に実施された操練に参加した乗組員の数が乗組員の数の四分の三を下回った場合は、その日から一週間以内に行わせるものとする。



2 法第九条第二項の規定による連絡及び調整の実施は、少なくとも毎年一回、かつ、十八月を超えない間隔で行うものとする。



(船舶保安記録簿)


第十五条 法第十条第一項の規定による船舶保安記録簿の備付けは、正当な権限を有しない者による閲覧その他の行為を防止するための措置を講じて行うものとする。



2 法第十条第二項の国土交通省令で定める事由は、次の表の上欄に掲げるものとし、同項の規定による船舶保安記録簿への記載は、同表の上欄に掲げる事由に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる事項につき行うものとする。




事由

事項




一 国際航海日本船舶についての国際海上運送保安指標(第七条第二項の規定により国際海上運送保安指標とみなされる指標を含む。以下この表において同じ。)の設定及び変更

イ 当該国際海上運送保安指標が設定され、又は変更された年月日
ロ 設定され、又は変更された当該国際海上運送保安指標




二 国際航海日本船舶の保安の確保に関する設備の保守点検及び較正の実施

イ 保守点検又は較正を実施した年月日
ロ 保守点検又は較正を実施した設備の名称
ハ 保守点検又は較正の内容




三 操練その他教育訓練の実施

イ 操練その他教育訓練の参加者の氏名
ロ 操練その他教育訓練を実施した年月日
ハ 操練その他教育訓練の内容




四 船舶保安規程の見直し

イ 見直しの年月日
ロ 見直しの結果に基づく変更の有無




五 船舶保安評価書の見直し

イ 見直しの年月日
ロ 見直しの結果に基づく作成の有無




六 国際航海日本船舶に係る保安の確保に関する業務に関する監査

イ 監査を行った年月日
ロ 監査の結果に基づき講じた措置




七 国際航海日本船舶の保安に関する情報に関する通信

イ 通信の内容
ロ 通信を行った年月日
ハ 通信を行った相手




八 危害行為の発生

イ 危害行為が発生した年月日
ロ 危害行為が発生した時における当該国際航海日本船舶の位置
ハ 危害行為の内容及び講じた措置







3 法第十条第二項の規定による船舶保安記録簿の記載は、船員法施行規則(昭和二十二年運輸省令第二十三号)第三条の十六の規定により決定した作業言語で行うものとする。この場合において、作業言語が英語でないときは、英語による訳文を付さなければならない。



4 第二項の表の下欄の各号に掲げる事項が、電子計算機(入出力装置を含む。)に備えられたファイル又は磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。)に記録され、電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示される場合は、当該記録をもって法第十条第二項に規定する船舶保安記録簿への記載に代えることができる。



(船舶保安規程)


第十六条 法第十一条第一項の国土交通省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。


一 船舶警報通報装置に関する事項



二 船舶指標対応措置の実施に関する事項



三 船舶保安統括者の選任に関する事項



四 船舶保安管理者の選任に関する事項



五 操練その他教育訓練の実施に関する事項



六 船舶保安記録簿の備付けに関する事項



七 船舶保安従事者の職務及び組織に関する事項



八 国際航海日本船舶の保安の確保に関する設備に関する事項



九 国際航海日本船舶に係る保安の確保に関する業務に関する監査に関する事項



十 国際航海日本船舶の保安に関する情報の管理方法に関する事項



十一 危害行為が発生した場合の対処方法に関する事項



十二 前各号に掲げるもののほか、国際航海日本船舶の保安の確保のために必要な事項として国土交通大臣が告示で定める事項




2 前条第一項の規定は、法第十一条第一項の規定による船舶保安規程の備置きについて準用する。



3 前条第三項及び第四項の規定は、法第十一条第一項の規定による船舶保安規程の記載について準用する。この場合において、同条第四項中「第二項の表の下欄の各号に掲げる事項」とあるのは、「第十六条第一項各号に掲げる事項」と読み替えるものとする。



(船舶保安規程の承認の申請)


第十七条 法第十一条第四項の承認を受けようとする者は、船舶保安規程承認申請書(第一号様式)を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては所有者所在地官庁に、提出しなければならない。



2 船舶保安規程承認申請書には、船舶保安規程及び次に掲げる書類を添付しなければならない。


一 船舶保安評価書



二 一般配置図



三 船体中央横断面図



四 船舶警報通報装置の構造及び配置を示す図面



五 制限区域を示す図面




3 国土交通大臣又は所有者所在地官庁は、前項に規定するもののほか、承認のため必要な書類の提出を求め、又は同項に規定する書類の一部についてその提出を免除することができる。



(船舶保安規程の変更の承認の申請)


第十八条 船舶保安規程の承認を受けた者は、当該承認を受けた船舶保安規程について変更(第二十条各号に掲げる変更を除く。)をしようとする場合は、船舶保安規程変更承認申請書(第二号様式)を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては所有者所在地官庁に、提出しなければならない。



2 船舶保安規程変更承認申請書には、船舶保安規程の変更部分の抜粋及び前条第二項各号に掲げる書類のうち当該変更に係るものを添付しなければならない。



(船舶保安規程の承認の引継ぎ)


第十九条 第十七条又は前条の規定により申請をした者は、当該申請をした者の所在地が所有者所在地官庁の管轄する区域外に移転した場合は、当該申請をした所有者所在地官庁に船舶保安規程承認引継申請書(第三号様式)を提出して、新たな所有者所在地官庁への船舶保安規程の承認の引継ぎを受けることができる。



(船舶保安規程の軽微な変更)


第二十条 法第十一条第四項の国土交通省令で定める軽微な変更は、次に掲げるものとする。


一 操練の実施に際しての関係者との連絡及び調整に関する事項に係る変更



二 船舶保安統括者の選任に関する事項の変更



三 船舶保安管理者の選任に関する事項の変更



四 前三号に掲げるもののほか、国際航海日本船舶の保安の確保に支障がないと国土交通大臣が認める事項の変更




(船舶保安規程の軽微な変更の届出)


第二十一条 船舶保安規程の承認を受けた者は、当該承認を受けた船舶保安規程について前条各号に掲げる変更をした場合は、遅滞なく、変更した事項及びその理由を記載した届出書を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては所有者所在地官庁に、提出しなければならない。



(船舶保安評価書)


第二十二条 法第十一条第五項の船舶保安評価書は、次に掲げるところにより評価を行った結果を記載したものとする。


一 国際航海日本船舶の構造、設備等について実地にその状況を調査すること。



二 船舶保安評価書の作成に関する知識及び能力を有する者により評価が行われること。




2 第十五条第一項の規定は、法第十一条第九項の規定による船舶保安評価書の備置きについて準用する。



3 第十五条第四項の規定は、法第十一条第二項の規定による船舶保安評価書の記載について準用する。この場合において、同条第四項中「第二項の表の下欄の各号に掲げる事項」とあるのは「法第十一条第五項の規定により行った評価の結果」と読み替えるものとする。




第二款 国際航海日本船舶の検査等

(検査の申請)


第二十三条 定期検査、中間検査又は臨時検査を受けようとする者は、船舶保安検査申請書(第四号様式)を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては船舶所在地官庁に、提出しなければならない。



2 船舶保安検査申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。


一 定期検査を初めて受ける場合は、次の書類


イ 臨時船舶保安証書(臨時船舶保安証書の交付を受けている国際航海日本船舶に限る。)



ロ 第十七条第二項第二号から第五号までに掲げる書類



ハ 船舶保安規程の写し




二 前号の場合を除き、定期検査、中間検査又は臨時検査を受ける場合は、次の書類


イ 船舶保安証書



ロ 船舶警報通報装置を変更する場合にあっては、第十七条第二項第二号から第五号までに掲げる書類のうち当該変更に係るもの



ハ 船舶保安規程を変更する場合にあっては、第十七条第二項第二号から第五号までに掲げる書類のうち当該変更に係るもの



ニ 船舶保安規程の写し





3 臨時航行検査を受けようとする者は、船舶保安臨時航行検査申請書(第五号様式)を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては船舶所在地官庁に、提出しなければならない。



4 船舶保安臨時航行検査申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。


一 第十七条第二項第二号から第五号までに掲げる書類



二 法第十一条第四項の承認を受けるべき船舶保安規程の写し



三 第三十三条第一項各号に掲げる事由のいずれかに該当することを示す書類




5 国土交通大臣又は船舶所在地官庁は、検査のため必要があると認める場合において第二項各号若しくは前項各号に掲げる書類のほか必要な書類の添付を求め、又は第二項各号若しくは前項各号に掲げる書類の一部についてその添付の省略を認めることができる。



(検査の引継ぎ又は委嘱)


第二十四条 法定検査を申請した者は、当該申請に係る原子力船等以外の国際航海日本船舶が船舶所在地官庁の管轄する区域外に移転した場合は、当該申請をした船舶所在地官庁に検査引継申請書(第六号様式)を提出して、新たな船舶所在地官庁への検査の引継ぎを受けることができる。



2 国土交通大臣又は船舶所在地官庁は、法定検査に係る国際航海日本船舶の一部の物件が他の地方運輸局長等の管轄する区域内にある場合であって、当該法定検査を申請した者の申請によりやむを得ない理由があると認めるときは、その検査を当該他の地方運輸局長等に委嘱することができる。



(法定検査の準備)


第二十五条 法定検査を受けようとする者は、当該法定検査を受けるべき事項について、次に掲げる準備をするものとする。


一 定期検査、中間検査又は臨時航行検査を受ける場合の準備にあっては、次に掲げるもの


イ 船舶警報通報装置にあっては効力試験の準備



ロ 船舶保安規程に定められた事項を適確に実施するために船舶保安管理者その他船舶保安従事者が立ち会うこと。



ハ 船舶保安記録簿、船舶保安規程その他の当該国際航海日本船舶の保安の確保に関する書類を、速やかに提示できるようにすること。




二 臨時検査を受ける場合の準備にあっては、前号に掲げる準備のうち国土交通大臣又は船舶所在地官庁の指示するもの




2 国土交通大臣又は船舶所在地官庁は、前項の規定にかかわらず、定期検査、中間検査又は臨時航行検査の準備の一部を免除することができる。



(定期検査)


第二十六条 定期検査は、船舶保安証書の有効期間の満了前に受けることができる。



(船舶保安証書)


第二十七条 法第十三条第一項の規定により交付する船舶保安証書は、第七号様式によるものとする。



(船舶保安証書の有効期間)


第二十八条 船舶保安証書の有効期間は、交付の日から定期検査(船級船(船級の登録をした国際航海日本船舶(旅客船を除く。)をいう。以下同じ。)にあっては、船級協会が法第二十条第二項の規定により行う定期検査に相当する検査。以下この条、第二十九条第一項、第二十九条の二第一項及び第三十条において「定期検査等」という。)に合格した日から起算して五年を経過する日までの間とする。ただし、法第十三条第六項各号に掲げる場合又は国際航海日本船舶が船舶保安証書の有効期間が満了する日以降に定期検査等に合格した場合(改造又は修理のため当該国際航海日本船舶を長期間航行の用に供することができない場合その他船舶所在地官庁がやむを得ないと認める場合を除く。)は、交付の日から当該船舶保安証書の有効期間が満了する日の翌日から起算して五年を経過する日までの間とする。



(船舶保安証書の有効期間の延長)


第二十九条 法第十三条第二項ただし書の国土交通省令で定める事由は、次に掲げる事由とする。


一 国際航海日本船舶(次号の船舶を除く。)が、船舶保安証書の有効期間が満了する時において、外国の港から本邦の港又は定期検査等を受ける予定の外国の他の港に向け航海中となること。



二 国際航海日本船舶であって航海を開始する港から最終の到着港までの距離が千海里を超えない航海に従事するものが、船舶保安証書の有効期間が満了する時において、航海中となること。




2 前項第一号に掲げる事由がある国際航海日本船舶については、当該国際航海日本船舶が原子力船等である場合にあっては国土交通大臣、当該国際航海日本船舶が原子力船等以外の船舶である場合にあっては船舶所在地官庁又は日本の領事官は、申請により、当該船舶保安証書の有効期間が満了する日の翌日から起算して三月を超えない範囲内においてその指定する日まで当該船舶保安証書の有効期間を延長することができる。ただし、指定を受けた日前に当該航海を終了した場合は、その終了した日を当該船舶保安証書の有効期間が満了する日とする。



3 第一項第二号に掲げる事由がある国際航海日本船舶については、当該国際航海日本船舶が原子力船等である場合にあっては国土交通大臣、当該国際航海日本船舶が原子力船等以外の船舶である場合にあっては船舶所在地官庁又は日本の領事官は、申請により、当該船舶保安証書の有効期間が満了する日から起算して一月を超えない範囲内においてその指定する日まで当該船舶保安証書の有効期間を延長することができる。



4 前二項の申請をしようとする者は、船舶保安証書有効期間延長申請書(第八号様式)を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては船舶所在地官庁又は日本の領事官に、提出しなければならない。



5 前項の船舶保安証書有効期間延長申請書には、船舶保安証書を添付しなければならない。



6 第二項及び第三項の規定による指定は、船舶保安証書に記入して行う。





第二十九条の二 法第十三条第五項の国土交通省令で定める事由は、国際航海日本船舶が、定期検査等を外国において受けた場合その他地理的条件、交通事情その他の事情により、当該定期検査等に合格した後速やかに、当該定期検査等に係る船舶保安証書の交付を受けることが困難であることとする。



2 法第十三条第五項の規定の適用を受けようとする者は、その旨を記載した書面を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては船舶所在地官庁に、提出し、国際航海日本船舶に前項に規定する事由がある旨の確認を受けなければならない。この場合において、船級船に係る確認を受けようとする者にあっては、当該書面に次に掲げる書類を添付しなければならない。


一 船舶保安証書の写し



二 船級協会の船級の登録を受けている旨の証明書




3 国土交通大臣又は船舶所在地官庁は、船級船以外の国際航海日本船舶に係る前項の確認を行ったときは、第二十三条第二項の規定により提出された船舶保安証書に当該国際航海日本船舶が法第十三条第五項の規定の適用を受けている旨を記載して、定期検査を申請した者に返付するものとする。



4 船級協会は、船級船に係る第二項の確認を受けた者からの申請により、船舶保安証書に当該船級船が法第十三条第五項の規定の適用を受けている旨を記載するものとする。



5 第三項の規定により船舶保安証書の返付を受けた者は、当該船舶保安証書の有効期間の満了前に受けた定期検査に係る船舶保安証書の交付を受けようとするときは、従前の船舶保安証書を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては船舶所在地官庁に、提出しなければならない。



(船舶保安証書の有効期間の満了)


第三十条 従前の船舶保安証書の有効期間の満了前に、定期検査等を受け、当該定期検査等に係る船舶保安証書の交付を受けた場合は、従前の船舶保安証書の有効期間は、満了したものとみなす。



(中間検査)


第三十一条 中間検査の時期は、船舶保安証書の有効期間の起算日の後の二回目の検査基準日(船舶保安証書の有効期間が満了する日に相当する毎年の日をいう。以下同じ。)から三回目の検査基準日までの間とする。ただし、法第十三条第二項ただし書の規定により船舶保安証書の有効期間が延長されたことにより当該延長期間内に当該時期が到来する場合における当該時期を除く。



2 中間検査は、その時期を繰り上げて受けることができる。



3 前項の規定によりその時期を繰り上げて受けた中間検査に合格した船舶の次回以降の中間検査の時期についての第一項の適用については、「船舶保安証書の有効期間の起算日」とあるのは「中間検査に合格した日」と、「船舶保安証書の有効期間が満了する日」とあるのは「中間検査に合格した日の前日」とする。



(臨時検査)


第三十二条 法第十五条の国土交通省令で定める改造又は修理は、船舶警報通報装置の全部若しくは一部の変更又は取替えを伴う改造若しくは修理(当該船舶警報通報装置の性能に影響を及ぼすおそれのない軽微な変更を除く。)とする。



2 法第十五条の国土交通省令で定めるときは、海難その他の事由により、検査を受けた事項について船舶警報通報装置の性能又は船舶保安規程の機能に影響を及ぼすおそれのある変更が生じたときとする。



3 法第十五条の国土交通省令で定める事項は、次に掲げる事項のうち変更が生じたものとする。


一 船舶指標対応措置の実施に関する事項



二 操練の実施に関する事項



三 船舶保安記録簿の備付けに関する事項




4 臨時検査を受けるべき場合に、定期検査又は中間検査を受けるときは、当該臨時検査を受けることを要しない。



(臨時航行検査)


第三十三条 法第十七条第一項の国土交通省令で定める事由は、次に掲げるものとする。


一 国際航海日本船舶について所有者の変更があったこと。



二 国際航海船舶について日本船舶以外の船舶が日本船舶になったこと。



三 新たに建造された国際航海日本船舶その他船舶保安証書を受有しないものを臨時に国際航海に従事させようとすること。




2 第十五条第一項の規定は、法第十七条第二項第二号の規定による法第十一条第四項の承認を受けるべき船舶保安規程の写しの備置きについて準用する。



(臨時船舶保安証書)


第三十四条 法第十七条第二項の規定により交付する臨時船舶保安証書は、第九号様式によるものとする。



(船舶保安証書等の再交付)


第三十五条 国際航海日本船舶の所有者は、船舶保安証書又は臨時船舶保安証書(以下この条から第三十七条までにおいて単に「証書」という。)を滅失し、又はき損した場合は、当該証書(き損した場合に限る。)を添付して、船舶保安証書等再交付申請書(第十号様式)を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては船舶所在地官庁に、提出し、その再交付を受けることができる。



2 証書を滅失したことにより再交付を受けた場合は、滅失した証書は、その効力を失うものとする。



(船舶保安証書等の書換え)


第三十六条 国際航海日本船舶の所有者は、証書の記載事項を変更しようとする場合又はその記載事項に変更を生じた場合は、速やかに、当該証書を添付して船舶保安証書等書換申請書(第十一号様式)を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては船舶所在地官庁に、提出し、その書換えを受けなければならない。



(証書の返納)


第三十七条 国際航海日本船舶の所有者は、次の各号に掲げる場合には、遅滞なく、その受有する証書(第四号の場合にあっては、発見した証書)を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては船舶所在地官庁に、返納しなければならない。


一 船舶が滅失し、沈没し、又は解撤されたとき。



二 船舶が国際航海日本船舶でなくなったとき。



三 証書の有効期間が満了したとき。



四 証書を滅失したことにより証書の再交付を受けた後、その滅失した証書を発見したとき。



五 前各号に掲げる場合のほか、船舶が証書を受有することを要しなくなったとき。




(船舶保安証書の返付等)


第三十八条 国土交通大臣又は船舶所在地官庁は、中間検査又は臨時検査の結果、法第十三条第一項各号に掲げる要件に適合すると認める場合は、当該検査を申請した者に第二十三条第二項の規定により提出された船舶保安証書を返付するものとする。この場合において、当該証書に当該検査に合格した旨を記載するものとする。




第三款 船級協会

(船級協会の登録の申請)


第三十九条 法第二十条第一項(法第二十条第七項において準用する船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第二十五条の四十八において準用する場合を含む。)の規定により法第二十条第一項の規定による登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。


一 登録を受けようとする者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名



二 登録を受けようとする者が法第二十条第二項の審査若しくは検査又は同条第三項の検査を行おうとする事務所及び事業所の名称及び所在地



三 登録を受けようとする者が法第二十条第二項の審査及び検査の業務並びに同条第三項の検査の業務を開始しようとする年月日




2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。


一 登録を受けようとする者が法人である場合には、次に掲げる事項を記載した書類


イ 定款又は寄附行為及び登記事項証明書



ロ 役員の氏名、住所及び経歴を記載した書類




二 登録を受けようとする者が個人である場合には、その住民票の写し及び履歴書



三 法第二十条第二項の審査及び検査又は同条第三項の検査に用いる法別表第一に掲げる機械器具その他の設備の数、性能、所在の場所及びその所有又は借入れの別を記載した書類



四 法第二十条第二項の審査若しくは検査又は同条第三項の検査を行う者の氏名及び経歴を記載した書類



五 法第二十条第二項の審査若しくは検査又は同条第三項の検査を行う者が、法第二十条第五項第二号に該当する者であることを証する書類



六 登録を受けようとする者が、法第二十条第五項第三号及び同条第七項において準用する船舶安全法第二十五条の四十七第二項各号のいずれにも該当しない者であることを信じさせるに足る書類




(船舶保安証書等の交付)


第四十条 法第二十条第四項の規定により船舶保安証書の交付を受けようとする者は、船舶保安証書交付申請書(第十二号様式)を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては船舶所在地官庁に、提出しなければならない。



2 船舶保安証書交付申請書には、次に掲げる書類(初めて船舶保安証書の交付を受ける場合にあっては、第一号、第三号及び第四号に掲げる書類及び船級協会の検査に関する事項を記録した書類)を添付しなければならない。


一 船舶保安規程の写し



二 船舶保安証書



三 臨時船舶保安証書の交付を受けている場合にあっては、臨時船舶保安証書



四 船級協会の船級の登録を受けている旨の証明書




3 船級協会は、船舶保安証書を受有する船級船が法第二十条第二項に規定する検査(定期検査に相当するものを除く。)に合格した場合は、当該船舶保安証書に当該検査に合格した旨を記載するものとする。



4 法第二十条第四項の規定により臨時船舶保安証書の交付を受けようとする者は、臨時船舶保安証書交付申請書(第十三号様式)を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては船舶所在地官庁に、提出しなければならない。



5 臨時船舶保安証書交付申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。


一 船舶保安規程の写し



二 船級協会の船級の登録を受けている旨の証明書




(帳簿の記載等)


第四十一条 法第二十条第七項において準用する船舶安全法第二十五条の五十九の国土交通省令で定める事項は、次に掲げるものとする。


一 船名



二 船舶番号及び国際海事機関船舶識別番号



三 総トン数



四 所有者の氏名又は名称及び住所



五 法第二十条第二項の審査及び検査又は同条第三項の検査の種類



六 法第二十条第二項の審査及び検査又は同条第三項の検査を行った年月日及び場所



七 法第二十条第二項の審査及び検査又は同条第三項の検査を行った事業所の名称



八 法第二十条第二項の審査及び検査又は同条第三項の検査の結果



九 その他法第二十条第二項の審査及び検査又は同条第三項の検査の実施状況に関する事項




2 法第二十条第七項において準用する船舶安全法第二十五条の五十九の帳簿は、法第二十条第二項の審査及び検査又は同条第三項の検査の業務を行う事務所ごとに備え付け、記載の日から五年間保存しなければならない。



(報告書の提出等)


第四十二条 船級協会は、法第二十条第二項の審査若しくは検査又は同条第三項の検査を行った場合は、速やかに、同条第二項の審査若しくは検査又は同条第三項の検査に関する報告書を、原子力船等に係るものにあっては国土交通大臣に、原子力船等以外の船舶に係るものにあっては所有者所在地官庁に、提出しなければならない。



2 前項の報告書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。


一 船名



二 船舶番号及び国際海事機関船舶識別番号



三 総トン数



四 所有者の氏名又は名称及び住所



五 法第二十条第二項の審査若しくは検査又は同条第三項の検査の種類



六 法第二十条第二項の審査若しくは検査又は同条第三項の検査を行った年月日及び場所



七 法第二十条第二項の審査若しくは検査又は同条第三項の検査を行った事務所及び事業所の名称



八 法第二十条第二項の審査若しくは検査又は同条第三項の検査の結果



九 船舶保安証書又は臨時船舶保安証書に記載された条件を変更する必要があると認めるときは、変更すべき内容及びその理由




3 船級協会は、法第二十条第二項の審査若しくは検査又は同条第三項の検査を行った場合において、船舶保安証書又は臨時船舶保安証書に記載された条件を変更する必要があると認めるときは、国際航海日本船舶の所有者に対し、船舶保安証書又は臨時船舶保安証書の書換えを受けるべき旨の通知をしなければならない。



4 船級協会は、船級船が、法第二十条第二項の審査若しくは検査又は同条第三項の検査を行い合格しないものと認めた場合であって、当該船級船が条約締約国にあるときは、当該条約締約国の政府に対し、速やかに、その旨を報告しなければならない。



5 国土交通大臣又は所有者所在地官庁は、第一項の規定により提出された報告書の審査に当たり必要があると認めるときは、船級協会に対し、法第二十条第二項の審査若しくは検査又は同条第三項の検査の依頼者から提出された図面その他必要な書類の提出を求めることができる。



6 国土交通大臣は、船級協会の行った法第二十条第二項の審査若しくは検査又は同条第三項の検査が適当でないと認める場合は、それぞれ法第二十条第二項の審査若しくは検査又は同条第三項の検査のやり直しその他の処分を命ずることができる。



(準用)


第四十三条 船舶安全法施行規則(昭和三十八年運輸省令第四十一号)第三章の二第一節(第四十七条、第四十七条の三、第四十七条の八、第四十七条の十一及び第四十七条の十二を除く。)の規定は、法第二十条第一項の登録並びに同条第二項又は第三項の船級協会並びに船級協会の審査及び検査について準用する。この場合において、第四十七条の七第五号中「検定員」とあるのは「検査員」と読み替えるものとする。




第四款 雑則

(再検査)


第四十四条 法第二十一条第一項の規定による再検査を申請しようとする者は、検査に対する不服の事項及びその理由を記載した再検査申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。



(改善命令等)


第四十五条 第十五条第一項の規定は、法第二十二条第二項第二号の規定による法第十一条第四項の承認を受けるべき船舶保安規程の写しの備置きについて準用する。



(報告の徴収)


第四十六条 国際航海日本船舶の所有者は、当該国際航海日本船舶の保安の確保のために必要な措置に関し法第二十三条第一項の規定による報告を求められたときは、直ちに、これに関する報告をしなければならない。



(立入検査の身分証明書)


第四十七条 法第二十三条第三項の職員の身分を示す証明書は、第十四号様式によるものとする。





第二節 国際航海外国船舶に関する措置

(国際航海外国船舶の船舶保安管理者に相当する者の要件)


第四十八条 法第二十四条第四号の国土交通省令で定める要件は、国際規則A部第十三項2に定めるところにより、船舶の保安の確保に関する知識を有し、かつ、船舶の保安の確保のために必要な訓練を受けていることとする。



(証書を交付する条約締約国の船舶の範囲)


第四十九条 法第二十六条第一項の国土交通省令で定める船舶は、旅客船及び総トン数が五百トン以上の旅客船以外の船舶(第二条第二項各号に掲げる船舶を除く。)とする。



(条約締約国の船舶に対する証書の交付)


第五十条 法第二十六条第一項の規定により交付する船舶保安証書に相当する証書は、第十五号様式によるものとする。



2 第二十三条第一項、第二項及び第五項、第二十四条、第二十五条(第一項第二号に係るものを除く。)並びに第二十六条の規定は、法第二十六条第一項に規定する法第十二条の検査に相当する検査について準用する。この場合において、第四号様式中「第23条第1項」とあるのは「第50条第2項において準用する第23条第1項」と、第六号様式中「第24条第1項」とあるのは「第50条第2項において準用する第24条第1項」と読み替えるものとする。



3 第二十八条及び第三十条の規定は、船舶保安証書に相当する証書の有効期間について準用する。



(報告の徴収)


第五十一条 第四十六条の規定は、国際航海外国船舶の所有者について準用する。この場合において、「法第二十三条第一項」とあるのは「法第二十七条の規定により準用する法第二十三条第一項」と読み替えるものとする。



(立入検査の身分証明書)


第五十二条 法第二十七条において準用する法第二十三条第三項の職員の身分を示す証明書は、第十六号様式によるものとする。





第三章 国際港湾施設の保安の確保

第一節 国際埠頭施設に関する措置

(埠頭指標対応措置を行う必要がある国際埠頭施設に係る基準)


第五十三条 法第二十九条第一項の国土交通省令で定める基準は、国際戦略港湾等における国際埠頭施設が次の各号のいずれかに該当することとする。


一 国際航海船舶である旅客船の利用に供する回数が年間一回以上であること。



二 前号以外の国際航海船舶の利用に供する回数が年間十二回以上であること。




2 前項各号に規定する回数には、次の各号に掲げる回数を含まないものとする。


一 荒天等により避難した国際航海船舶の利用に供する回数



二 国際航海船舶の建造又は修繕のために当該国際航海船舶の利用に供する回数



三 本邦と本邦以外の地域との間の運送に係る貨物の積込み及び取卸し並びに旅客の乗船及び下船が行われない国際航海船舶の利用に供する回数



四 その他国土交通大臣が前項の回数に含めることが適当でないと認めた国際航海船舶の利用に供する回数




3 第一項各号に規定する船舶の利用に供する年間の回数(前項各号に規定する回数を除く。)がそれぞれ当該各号に規定する回数以上となった国際埠頭施設については、その年の翌年以降も、当該船舶の利用に供する回数は当該各号に規定する回数以上であるとみなす。ただし、当該船舶の利用に供する年間の回数が当該各号に規定する回数以上となる見込みがないことについて国土交通大臣の確認を受けた場合は、この限りでない。



4 国際戦略港湾等における国際埠頭施設(重要国際埠頭施設を除く。)の管理者は、当該国際埠頭施設が第一項に定める基準に該当することが見込まれる場合には、速やかにその旨を、国際戦略港湾又は国際拠点港湾(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第二項に規定する国際戦略港湾又は国際拠点港湾をいう。以下同じ。)の国際コンテナ埠頭施設(国際航海に従事するコンテナ船に貨物を積み込み、又は当該コンテナ船から貨物を取り卸すための荷さばきの用に供する施設をいう。以下同じ。)、国際車両航送施設(国際航海に従事する自動車航送船又はロールオン・ロールオフ船に車両その他の貨物を積み込み、又はこれらの船舶から貨物を取り卸すための荷さばきの用に供する施設をいう。以下同じ。)若しくは国際不定期旅客施設(国際不定期旅客船に係る国際旅客施設(国際航海船舶に係る旅客の乗船又は下船の用に供する施設をいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。)を含む国際埠頭施設又は国際定期旅客施設(海上運送法第二条第三項に規定する定期航路事業に使用する旅客船に係る国際旅客施設をいう。以下同じ。)を含む国際埠頭施設に係るものにあっては国土交通大臣に、それ以外の国際埠頭施設に係るものにあっては港湾施設所在地官庁に、届け出なければならない。



(埠頭指標対応措置)


第五十四条 法第二十九条第一項の規定による埠頭指標対応措置の実施は、法第三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により重要国際埠頭施設について国土交通大臣が国際海上運送保安指標を設定し、かつ、公示した場合であって、当該重要国際埠頭施設が国際航海船舶の利用に供するときに、当該重要国際埠頭施設における貨物の積込みその他の当該重要国際埠頭施設の利用状況を考慮して、速やかに、埠頭保安規程に定めるところにより行うものとする。



2 法第二十九条第一項の国土交通省令で定める措置は、次の表の上欄に掲げる国際海上運送保安指標に対応して、それぞれ同表の下欄に掲げるものとする。ただし、重要国際埠頭施設について国土交通大臣がその構造、設備等を勘案して保安上差し支えないと認める場合にあっては、この限りでない。




国際海上運送保安指標

措置




一 保安レベル一

イ 制限区域を設定すること。
ロ 制限区域に人又は車両が正当な理由なく立ち入ることを防止するため、本人確認その他の措置を講ずること。
ハ 貨物、船用品その他の制限区域に持ち込まれる物(以下この表において「貨物等」という。)について点検をすること。
ニ 重要国際埠頭施設内の巡視又は監視をすること。
ホ 重要国際埠頭施設の前面の水域の監視をすること。
ヘ 関係行政機関及び船舶保安管理者その他の関係者との連絡及び調整を図ること。
ト その他国土交通大臣が特に必要と認めた措置を講ずること。




二 保安レベル二

イ 制限区域を設定すること。
ロ 制限区域に人又は車両が正当な理由なく立ち入ることを防止するため、本人確認その他の措置を強化すること。
ハ 貨物等について点検を強化すること。
ニ 重要国際埠頭施設内の巡視又は監視を強化すること。
ホ 重要国際埠頭施設の前面の水域の監視を強化すること。
ヘ 関係行政機関及び船舶保安管理者その他の関係者との連絡及び調整を図ること。
ト その他国土交通大臣が特に必要と認めた措置を講ずること。




三 保安レベル三

イ 制限区域を設定すること。
ロ 制限区域に重要国際埠頭施設における業務の関係者以外の者又は当該関係者に係る車両以外の車両が立ち入ることを禁止すること。
ハ 貨物等の制限区域への受入れを一時停止すること。
ニ 重要国際埠頭施設内を常時監視すること。
ホ 重要国際埠頭施設の前面の水域を常時監視すること。
ヘ 関係行政機関及び船舶保安管理者その他の関係者との連絡及び調整を図ること。
ト その他国土交通大臣が特に必要と認めた措置を講ずること。







3 前項に定めるもののほか、重要国際埠頭施設が国際航海船舶であって国際不定期旅客船であるものの利用に供する場合における法第二十九条第一項の国土交通省令で定める措置は、保安確認書の作成及び当該保安確認書において確認された事項の実施とする。



4 前項の保安確認書は、作成した日から三年間保存するものとする。



(埠頭保安設備に係る技術上の基準)


第五十五条 法第二十九条第二項の国土交通省令で定める技術上の基準は、次に掲げる基準とする。ただし、重要国際埠頭施設について国土交通大臣がその構造、設備等を勘案して保安上差し支えないと認める場合にあっては、この限りでない。


一 制限区域をさく、壁その他の障壁(以下「障壁」という。)で明確に区画し、かつ、見やすい位置に当該制限区域を示す標識を設けること。



二 障壁は人が容易に侵入することを防止できる十分な高さ及び構造を有するものであること。



三 制限区域の出入口にある扉には、容易に開けることができず、かつ、壊されることがない構造を有するかぎ又は錠を施すこと。



四 重要国際埠頭施設の内外の監視のために十分な照度を確保した照明設備を設けること。



五 車両が制限区域に容易に侵入できないように車止めを設けること。



六 重要国際埠頭施設が国際コンテナ埠頭施設、国際車両航送施設又は国際旅客施設を含む場合にあっては、次に掲げる基準に適合する監視装置を設けること。


イ 国際コンテナ埠頭施設又は国際車両航送施設を含む場合にあっては、重要国際埠頭施設の内外の監視ができること。



ロ 国際旅客施設を含む場合にあっては、国際旅客施設内の制限区域の監視ができること。



ハ 一定期間記録を保存できる機能を備えていること。





2 前項に規定するもののほか、埠頭保安設備に係る技術上の基準の細目は、国土交通大臣が告示で定める。



(埠頭保安管理者)


第五十六条 法第三十条第一項の国土交通省令で定める要件は、次に掲げる事項についての知識及び能力を有する者であることとする。


一 法及び法に基づく命令並びに条約附属書第十一章の二及び国際規則に規定する事項



二 埠頭指標対応措置に関する事項



三 埠頭保安設備に関する事項



四 埠頭訓練その他教育訓練の実施に関する事項



五 埠頭保安規程及び第五十八条第三項に規定する埠頭施設保安評価準備書に関する事項



六 危害行為に用いられるおそれのある武器及び爆発物その他の危険物に関する事項



七 危害行為が発生した場合の対処方法に関する事項



八 港湾施設の保安に関する情報の管理方法に関する事項



九 船舶の運航に関する事項



十 港湾施設の運営に関する事項




2 法第三十条第一項の規定による埠頭保安管理者の選任は、次の各号のいずれにも該当しない者であって、重要国際埠頭施設に係る保安の確保に関する業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的地位にある者のうちから、重要国際埠頭施設について(法第三十二条第三項の規定により複数の重要国際埠頭施設に係る埠頭保安規程を一体のものとして定める場合にあっては、当該複数の重要国際埠頭施設について)一人を選任することにより行うものとする。


一 法又は法に基づく命令の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者



二 法第三十条第三項(法第三十三条第二項において準用する場合を含む。)において準用する法第七条第四項の命令により解任され、解任の日から二年を経過しない者




3 法第三十条第二項の規定による届出をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した埠頭保安管理者選任(解任)届出書を、国際戦略港湾又は国際拠点港湾の国際コンテナ埠頭施設、国際車両航送施設若しくは国際不定期旅客施設を含む重要国際埠頭施設又は国際定期旅客施設を含む重要国際埠頭施設(以下「特定重要コンテナ埠頭施設等」という。)に係るものにあっては国土交通大臣に、特定重要コンテナ埠頭施設等以外の重要国際埠頭施設に係るものにあっては港湾施設所在地官庁に、提出しなければならない。


一 管理者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名



二 重要国際埠頭施設の所在地



三 選任し、又は解任した埠頭保安管理者の氏名及び生年月日



四 選任し、又は解任した年月日



五 選任の届出の場合にあっては、次に掲げる事項


イ 埠頭保安管理者が第一項に規定する要件に該当する旨の説明



ロ 埠頭保安管理者が前項の規定に適合する者である旨の説明



ハ 埠頭保安管理者の住所及び緊急連絡用の電話番号その他緊急時における連絡方法




六 解任の届出の場合にあっては、解任の理由




4 前項の届出書を提出した者は、同項第一号から第三号まで及び第五号ハに係る事項に変更を生じた場合においては、遅滞なくその旨を、特定重要コンテナ埠頭施設等に係るものにあっては国土交通大臣に、特定重要コンテナ埠頭施設等以外の重要国際埠頭施設に係るものにあっては当該届出書を提出した港湾施設所在地官庁に、届け出なければならない。



5 法第三十条第三項において準用する法第七条第五項の業務の範囲は、次に掲げるものとする。


一 埠頭指標対応措置の実施に関すること。



二 埠頭保安設備の保守点検の実施に関すること。



三 重要国際埠頭施設に係る保安の確保に関する業務に従事する者(以下「埠頭保安従事者」という。)に対する埠頭訓練その他教育訓練の実施に関すること。



四 埠頭保安規程の作成及びその変更に関すること。



五 第五十八条第三項に規定する埠頭施設保安評価準備書の作成に関すること。



六 法第三十二条第五項の承認に係る申請その他の行為に関すること。



七 行われるおそれのある危害行為に関する情報の提供に関すること。



八 重要国際埠頭施設に係る保安の確保に関する業務に関する監査に関すること。



九 船舶保安管理者その他の関係者との連絡及び調整に関すること。




(埠頭訓練)


第五十七条 法第三十一条の規定による埠頭訓練の実施は、埠頭指標対応措置の実施を確保するため、埠頭保安規程に定めるところにより、少なくとも三月に一回行うものとする。この場合において、水域保安管理者その他の関係者との連携に係る埠頭訓練は、少なくとも毎年一回、かつ、十八月を超えない間隔で行うものとする。



(埠頭保安規程)


第五十八条 法第三十二条第一項の国土交通省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。


一 埠頭指標対応措置の実施に関する事項



二 埠頭保安設備の設置及び維持に関する事項



三 埠頭保安管理者の選任に関する事項



四 埠頭訓練その他教育訓練の実施に関する事項



五 埠頭保安従事者の職務及び組織に関する事項



六 重要国際埠頭施設に係る保安の確保に関する業務に関する監査に関する事項



七 重要国際埠頭施設の保安に関する情報の管理方法に関する事項



八 危害行為が発生した場合の対処方法に関する事項



九 前各号に掲げるもののほか、重要国際埠頭施設の保安の確保のために必要な事項として国土交通大臣が告示で定める事項




2 法第三十二条第五項の国土交通省令で定める軽微な変更は、次に掲げるものとする。


一 埠頭訓練の実施に際しての関係者との連絡及び調整に関する事項に係る変更



二 埠頭保安管理者の選任に関する事項の変更



三 前二号に掲げるもののほか、重要国際埠頭施設の保安の確保に支障がないと国土交通大臣が認める事項の変更




3 重要国際埠頭施設の管理者は、国土交通大臣又は港湾施設所在地官庁から当該重要国際埠頭施設の保安の確保のために必要な事項について報告を求められた場合には、遅滞なく、埠頭施設保安評価準備書(重要国際埠頭施設の管理者が当該重要国際埠頭施設の構造、設備等その他の当該重要国際埠頭施設の保安の確保のために必要な事項の現況について記載した書面をいう。以下同じ。)を、特定重要コンテナ埠頭施設等に係るものにあっては国土交通大臣に、特定重要コンテナ埠頭施設等以外の重要国際埠頭施設に係るものにあっては港湾施設所在地官庁に、提出しなければならない。ただし、法第三十二条第三項の規定により複数の重要国際埠頭施設に係る埠頭保安規程を一体のものとして定めようとする場合であって、当該複数の重要国際埠頭施設が国際コンテナ埠頭施設若しくは国際車両航送施設(国際戦略港湾又は国際拠点港湾にあるものに限る。)又は国際定期旅客施設を含むときは、当該埠頭施設保安評価準備書を国土交通大臣に提出しなければならない。



4 前項の場合において、重要国際埠頭施設の設置者(国を除く。以下この項において同じ。)と管理者とが異なり、かつ、当該重要国際埠頭施設の設置者が埠頭保安設備を設置し、及び維持するときは、埠頭施設保安評価準備書のうち当該埠頭保安設備の設置及び維持に係る部分については、当該重要国際埠頭施設の設置者及び管理者が共同して作成したものでなければならない。



5 法第三十二条第六項の規定による評価は、第三項の規定により提出された埠頭施設保安評価準備書の内容を確認した上で行うものとする。



(埠頭保安規程の承認の申請)


第五十九条 法第三十二条第五項の承認を受けようとする者は、埠頭保安規程承認申請書を、特定重要コンテナ埠頭施設等に係るものにあっては国土交通大臣に、特定重要コンテナ埠頭施設等以外の重要国際埠頭施設に係るものにあっては港湾施設所在地官庁に、提出しなければならない。



2 埠頭保安規程承認申請書には、埠頭保安規程及び次に掲げる書類を添付しなければならない。


一 港湾施設保安評価書を踏まえて埠頭保安規程を定めたことについて説明する書類



二 重要国際埠頭施設の構造及び配置を示す図面



三 埠頭保安設備の品名及び設計図その他当該設備の仕様を明らかにする書類




3 国土交通大臣又は港湾施設所在地官庁は、前項に規定するもののほか、承認のために必要な書類の提出を求め、又は同項に規定する書類の一部についてその提出を免除することができる。



(埠頭保安規程の変更の承認の申請)


第六十条 埠頭保安規程の承認を受けた者は、当該承認を受けた埠頭保安規程について次に掲げる重要な事項の変更を行おうとする場合又は複数の重要国際埠頭施設について当該複数の重要国際埠頭施設に係る埠頭保安規程を一体のものとして定めようとする場合には、あらかじめその旨を、特定重要コンテナ埠頭施設等に係るものにあっては国土交通大臣に、特定重要コンテナ埠頭施設等以外の重要国際埠頭施設に係るものにあっては港湾施設所在地官庁に、申し出なければならない。


一 制限区域に関する事項



二 埠頭保安設備の構造及び配置に関する事項



三 前二号に掲げるもののほか、重要国際埠頭施設の保安の確保のために必要な事項として国土交通大臣が告示で定める事項




2 埠頭保安規程の承認を受けた者は、当該承認を受けた埠頭保安規程について変更(前項に規定する重要な事項の変更を含み、第五十八条第二項各号に掲げる変更を除く。)をしようとする場合は、埠頭保安規程変更承認申請書を、特定重要コンテナ埠頭施設等に係るものにあっては国土交通大臣に、特定重要コンテナ埠頭施設等以外の重要国際埠頭施設に係るものにあっては港湾施設所在地官庁に、提出しなければならない。



3 埠頭保安規程変更承認申請書には、埠頭保安規程の変更部分の抜粋及び前条第二項各号に掲げる書類のうち当該変更に係るものを添付しなければならない。



(埠頭保安規程の軽微な変更の届出)


第六十一条 埠頭保安規程の承認を受けた者は、当該承認を受けた埠頭保安規程について第五十八条第二項各号に掲げる変更をした場合は、遅滞なく、変更した事項及びその理由を記載した届出書を、特定重要コンテナ埠頭施設等に係るものにあっては国土交通大臣に、特定重要コンテナ埠頭施設等以外の重要国際埠頭施設に係るものにあっては港湾施設所在地官庁に、提出しなければならない。



(埠頭保安規程に相当する規程)


第六十二条 法第三十三条第一項の国土交通省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。


一 埠頭指標対応措置に相当する措置の実施に関する事項



二 埠頭保安設備に相当する設備の設置及び維持に関する事項



三 埠頭保安管理者に相当する者の選任に関する事項



四 埠頭訓練に相当する訓練その他教育訓練の実施に関する事項



五 埠頭保安従事者に相当する者の職務及び組織に関する事項



六 重要国際埠頭施設以外の国際埠頭施設に係る保安の確保に関する業務に関する監査に関する事項



七 重要国際埠頭施設以外の国際埠頭施設の保安に関する情報の管理方法に関する事項



八 危害行為が発生した場合の対処方法に関する事項



九 前各号に掲げるもののほか、重要国際埠頭施設以外の国際埠頭施設の保安の確保のために必要な事項として国土交通大臣が告示で定める事項




2 法第三十三条第一項の規定により重要国際埠頭施設以外の国際埠頭施設の管理者が埠頭保安規程に相当する規程の承認を受けようとする場合は、あらかじめその旨を、重要国際埠頭施設以外の国際埠頭施設(国際戦略港湾又は国際拠点港湾にあるものに限る。)であって国際コンテナ埠頭施設若しくは国際車両航送施設を含むもの又は重要国際埠頭施設以外の国際埠頭施設であって国際定期旅客施設を含むもの(以下「特定コンテナ埠頭施設等」という。)に係るものにあっては国土交通大臣に、特定コンテナ埠頭施設等を除いた重要国際埠頭施設以外の国際埠頭施設に係るものにあっては港湾施設所在地官庁に、申し出なければならない。



3 第五十四条から前条まで(第五十八条第一項を除く。)の規定は、埠頭保安規程に相当する規程に係る重要国際埠頭施設以外の国際埠頭施設について準用する。



(報告の徴収)


第六十三条 法第三十二条第五項の承認を受けた埠頭保安規程に係る重要国際埠頭施設の管理者又は設置者及び管理者並びに法第三十三条第一項の承認を受けた埠頭保安規程に相当する規程に係る者は、当該国際埠頭施設の保安の確保のために必要な措置に関し法第三十五条第一項の規定による報告を求められたときは、直ちに、これに関する報告をしなければならない。



(立入検査の身分証明書)


第六十四条 法第三十五条第三項において準用する法第二十三条第三項の職員の身分を示す証明書は、第十七号様式によるものとする。




第二節 国際水域施設に関する措置

(水域指標対応措置)


第六十五条 法第三十七条の規定による水域指標対応措置の実施は、法第三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により特定港湾管理者が管理する国際水域施設について国土交通大臣が国際海上運送保安指標を設定し、かつ、公示した場合であって、当該国際水域施設に接続する重要国際埠頭施設が国際航海船舶の利用に供するときに、当該国際水域施設における船舶の航行その他の当該国際水域施設の利用状況を考慮して、速やかに、水域保安規程に定めるところにより行うものとする。



2 法第三十七条の国土交通省令で定める措置は、次の表の上欄に掲げる国際海上運送保安指標に対応して、それぞれ同表の下欄に掲げるものとする。ただし、国際水域施設について国土交通大臣がその構造、設備等を勘案して保安上差し支えないと認める場合にあっては、この限りでない。




国際海上運送保安指標

措置




一 保安レベル一

イ 重要国際埠頭施設の前面の泊地において、制限区域を設定すること。
ロ 制限区域に人又は船舶が正当な理由なく立ち入ることを防止するため、警告その他の措置を講ずること。
ハ 関係行政機関及び船舶保安管理者その他の関係者との連絡及び調整を図ること。
ニ その他国土交通大臣が特に必要と認めた措置を講ずること。




二 保安レベル二

イ 重要国際埠頭施設の前面の泊地において、制限区域を設定すること。
ロ 制限区域に人又は船舶が正当な理由なく立ち入ることを防止するため、警告その他の措置を講ずること。
ハ 重要国際埠頭施設の前面の泊地及びこれに接続する主な航路の巡視又は監視をすること。
ニ 関係行政機関及び船舶保安管理者その他の関係者との連絡及び調整を図ること。
ホ その他国土交通大臣が特に必要と認めた措置を講ずること。




三 保安レベル三

イ 重要国際埠頭施設の前面の泊地において、制限区域を設定すること。
ロ 制限区域に人又は船舶が正当な理由なく立ち入ることを防止するため、警告その他の措置を講ずること。
ハ 重要国際埠頭施設の前面の泊地及びこれに接続する主な航路の巡視又は監視を強化すること。
ニ 関係行政機関及び船舶保安管理者その他の関係者との連絡及び調整を図ること。
ホ その他国土交通大臣が特に必要と認めた措置を講ずること。







(水域保安管理者)


第六十六条 法第三十八条第一項の国土交通省令で定める要件は、次に掲げる事項についての知識及び能力を有する者であることとする。


一 法及び法に基づく命令並びに条約附属書第十一章の二及び国際規則に規定する事項



二 水域指標対応措置に関する事項



三 水域訓練その他教育訓練の実施に関する事項



四 水域保安規程及び第六十八条第三項に規定する水域施設保安評価準備書に関する事項



五 危害行為に用いられるおそれのある武器及び爆発物その他の危険物に関する事項



六 危害行為が発生した場合の対処方法に関する事項



七 港湾施設の保安に関する情報の管理方法に関する事項



八 船舶の運航に関する事項



九 港湾施設の運営に関する事項




2 法第三十八条第一項の規定による水域保安管理者の選任は、次の各号のいずれにも該当しない者であって、国際水域施設に係る保安の確保に関する業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的地位にある者のうちから、一人を選任することにより行うものとする。


一 法又は法に基づく命令の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者



二 法第三十八条第三項(法第四十一条第二項において準用する場合を含む。